【第2話】BtoBマーケティングにおけるペルソナの作り方

公開
2024/08/24
更新
2024/08/24
この記事は約5分20秒で読めます。

ペルソナという言葉時代はすでに一般的なビジネス用語として浸透している感があり、マーケティング業務に専門的に関わっている方ではなくても、その言葉を聞いたことがある人は少なくないと思います。

「BtoB ペルソナ 作り方」でも「ペルソナ テンプレート」でも、ペルソナの関連キーワードでGoogle検索すると多数の記事を見つけることができます。記事自体は玉石混交ですが、上位表示されているメディアの記事を読むと、書いてあることは大体同じです。

今更なんですが、ここで「ペルソナとは」「ペルソナ作成の注意点」を書いたところで、そういった上位表示されている記事と大した差別化はできないと考えています。この視点は割と重要でして、特にSEO対策を自社で行う際は意識してほしいポイントです。

その上で、そういった作成のノウハウやコツはもう世の中に溢れてしまっているので、この記事では少し軸をズラして書いていきます。

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そもそもBtoBマーケティングにおいてペルソナを作る必要があるか

ペルソナを具体的に作り込まなくてもうまく機能している企業はあります。例えば、社長が自らマーケティングの陣頭指揮を取り、営業も行い、コンテンツなどの制作にも口を出すケースなど。

このケースの場合、厳密にはペルソナ自体は社長の頭の中にしっかりと描かれていて、営業の責任を担うのもコンテンツマーケティングの責任を担うのも社長なので、それを言語化しなくてもうまく機能しているという話になります。

社長に限らず経営陣でも構わないのですが、意思決定権を持っている人間がマーケティングの上流からオペレーションの細部にまで関わっているようなケースで、かつ、その方がトップダウンで物事を決めているようなケースではペルソナを作らなくてもうまくいくことがあります。

ただし、多くの場合仕事は細分化されていて、それぞれの業務範囲においてチームが作られることが多いと思います。そういったケースにおいては、ペルソナを言語化しておいた方がコミュニケーションにギャップが発生しないのでおすすめです。

他社メディアにおけるペルソナを作成した方が良い理由でも、このコミュニケーション効率の話はメリットの1つとして取り上げられることが多いです。複数人で仕事をしていると、どうしても頭の中にある見込み客像が少しずつズレていってしまうので。

冒頭のケース(社長が全てのプロセスに関わる)であっても、ペルソナを言語化する過程において様々な気付きがあるので、いずれのケースであってもやはりペルソナは作っておいた方が良いと考えています。

BtoBマーケティングにおけるペルソナを作り方

社内にマーケティングチームがなかったり、チームがあっても経験が浅いメンバーの場合は、ペルソナ作りは外部コンサルティング会社へ依頼した方が効率的かもしれません。

ペルソナはBtoBマーケティングの根幹部分になるので、その精度が高い方が各種施策のパフォーマンスもまた高くなります。それを考慮すると、(まともな)マーケティング会社にペルソナ作りを外注するのはそれなりに投資対効果が高いと言えます。

それを踏まえた上で、それでも自社でペルソナを作りたいという企業様は、「btob ペルソナ 作り方」等で検索して上位表示されているペルソナ作りの記事をまずは読み込んでみてください。

  • ペルソナとは
  • ペルソナを作るメリット
  • ペルソナの項目例
  • ペルソナのテンプレート
  • ペルソナを作るための●つのステップ
  • ペルソナを作るときの注意点

上記のような作成ノウハウの記事を一通り読むことで、頭の中にざっくりと作業イメージができます。その後は、現状すでにお客様になっていただいている顧客のご担当者様を具体的なペルソナとして、それを言語化していくという手順を取ることをおすすめします。

抽象から具体化するのではなく、具体から抽象化する動きですね。そうした方が脳みそがペルソナをイメージしやすいので、途中で作業が止まりづらいという利点があります。

そのお客様も1社だけではなく、タイプに分けて2〜3社ほど参考例として引っ張ってくると良いです。その際に、企業規模で分けるとか、役職で分けるとか、あるいは流入チャネルで分けるなど、他メディアで解説されているペルソナの作り方を参考に作業を進めていきましょう。

ポイントは、あれこれ考える前に、とりあえずペルソナを作ってみる。そして、作成したペルソナをもとにチーム内で議論して再度作り直すという過程を何度も経ることだと思います。手を動かした分だけペルソナ作成の理解度が高まります。

弊社コーポレートサイトのBtoBペルソナ設定例

何となくイメージはわくかもしれませんが、それをもう少しイメージしやすくするために、弊社のこのコーポレートサイトのペルソナを少し共有させていただきます。競合さんなどもご覧になる可能性があるので、全てを共有することは難しいですが、可能な限り読み手が少しでもイメージしやすいように書いてみます。

弊社のペルソナ例1

業種業界を問わず大手企業のWebマーケティングの担当者様。主にBtoB企業様が多いですが、BtoC企業様からのご相談もいただいています。大手企業様の場合、これまでにWebマーケティングの各種施策を行ってこなかったという企業様は皆無に近いです。大抵の場合、社内にインハウスのWebマーケティングチームがあります。

ペルソナをより詳しく設定する場合、例えば、BtoB×建築やBtoB×メーカーなどのように切り口を設定することもありますが、業種を切り口にして特化するメリットが弊社には無いのでそこは幅広い業界を対象としています。

予算も人員もリソースが多様な企業様が多いので、BtoBマーケティング全般を全てお任せしたいといった依頼になるケースは少ないです。現在外注しているネット広告代理店のGoogleとMeta広告の運用がうまくいっていないので御社にお願いしたい。あるいは、SEO対策がうまくいっておらず、流入数がずっと下がり続けているので分析し直してほしいなど。

つまり、Webマーケティング施策のいずれかうまくいっていない施策の支援をするというのが弊社が大手企業様からお仕事のご相談をいただく上で多いパターンです。

こういった企業のWebマーケティングのご担当者の場合、各種の施策について一定の知識をお持ちで、代理店のコンサルタントとも適切にコミュニケーションを取られたりします。

そういった方々がGoogleやYahooなどの自然検索経由で情報を探す場合、ざっくりしたキーワードではなく、特定の問題を解決したいというお悩み系キーワードになるので、それらのキーワードの把握とコンテンツ作りが胆になってきます。

初回のお打ち合わせをする際も、自社のWebマーケティングの課題をしっかりと把握され言語化していただけることが多く、それを前提に、細かい部分についての議論を重ねていくのがこのペルソナのパターンとなります。

弊社のペルソナ例2

地方の企業様で、社長や経営陣自ら情報を探されているというパターンが二例目です。企業規模は5〜20億円くらいの企業様が多いですが、業種業界はバラバラです。社内に専門的なマーケティングチームがないのですが、BtoBマーケティングの重要性は分かっているので、経営陣や取締役自ら情報を探しているようなイメージです。

ただ、兼務という形でWebマーケティングの各種の施策(特にインターネット広告)を社内で実施したことがあったり、10万円や20万円でネット広告代理店に外注したことがあるという企業様もいたりします。

個別の施策(SEO対策やネット広告運用)をお任せいただくこともありますが、社長や経営陣直下のBtoBマーケティングチームに入れていただき、マーケティング施策全般を伴走させていただくことが多いです。

Webマーケティングの経験者はいらっしゃらないことが多いので、基本的な考え方からご説明をさせていただき、個別の施策についても丁寧にコミュニケーションを取ります。施策の成果が目に見えて出てくると、「カケモチさんを信頼しているので、細かいことはお任せします」という雰囲気になります。

情報を探されているのは社長や経営陣なので、テクニカルなWebマーケティング用語ではなく、もう少し抽象度の高いBtoBのマーケティング用語でSEO対策を検討していくのが胆になります。

せっかく作ったペルソナが徐々に使われなくなる理由

学校の宿題のようなイメージで、「とりあえず作らされた」というペルソナは段々と使われなくなります。外部のコンサルタントが突然会社にやってきて、「BtoBマーケティングの胆はペルソナ設定にあります。まずはペルソナを考えてみましょう。フォーマットはこれです。」みたいなパターンですね。

なんのためにペルソナを設定するのかという根本的な理由の理解が欠如していたり、日々のオペレーション業務の中でそのペルソナが使われていないと、やはり人間なので自然と距離を置いてしまうのは当たり前だと言えます。

適切に設定したペルソナはBtoBマーケティングの戦略立案時にも役に立ち待つし、日々のオペレーション業務でもコンパスのような役割を果たしてくれるので、いかに使われるかを意識してペルソナを組織に浸透させていくかが大事ですね。

次回の予告

次回はSEOキーワード設定の考え方についてご説明をしていきます。このコーポレートサイトでSEO対策を実施するのであれば、どのようなキーワードを、どのような理由で選定すべきなのか。SEOの考え方もそうですが、具体的におすすめのツールなども活用しながら解説していきます。

ツールが全てではないですが、思考の手助けをしてくれるので使わない手はないと思います。昨今はAIを活用した構成案の作成やライティングも流行っていますが、そういったツールは一度は使ってみることでそのメリット・デメリットを体感できるという点が重要です。

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この記事を書いた人

柳沢孝一

BtoBマーケティング支援のカケモチ(株)代表。主な得意領域はマーケティング戦略の立案とSEO対策。15年以上Webマーケティングの業務に従事。会社としてはインドネシアへの進出も支援。お気軽にご連絡ください。

BtoB企業のコーポレートサイトのSEO対策が得意です。
弊社では豊富な支援実績があるためまずは一度ご相談ください。

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